ほぼ不定期連載

 Conflict of Heroes: Awakening the Bear! ビギナーズガイド

   <第5回:様々な射撃戦闘と回復>  by Takuya "Survivor"Suzuki

前回は歩兵vs歩兵のベーシックな射撃戦について解説しました。今回はそれ以外の射撃ルールと、ヒットからの回復について話をすすめます。

 

 

■戦車の射撃

 

戦車による射撃も、戦車に対する射撃も、前回説明した歩兵の射撃とかなり似ていますが、相違点もあります。

 

 

戦車カウンター説明

戦車カウンターの左上にある黒い数字は、(歩兵と同様)射撃をする際に消費するAPです。

 

左下にある2つの数字は、射撃力(Firepower, FP)です。赤い数字は主砲の榴弾や車載機銃のFPで、青い数字は主砲の徹甲弾のFPです。

 

その右横、つまりカウンターの下部中央にある数字は射程(射撃可能なヘクス距離)です。

 

さらに右にある、上下に2つ並んだ数字は、それぞれ側面や正面を撃たれた時に使う基本防御値(DR)です。

 

 

ここで、ユニットによって防御値が赤いものや青いものがあることに気付いたかもしれません。歩兵のようなソフトターゲット(生身の目標)の防御値は赤いです。戦車のようなハードターゲット(硬目標)の防御値は青いです。牽引砲は側面防御値は赤く、正面防御値は青いです。つまり、青は装甲部分で、赤は非装甲部分と考えてください。装甲部分を撃つには徹甲弾が有効ですが、榴弾(や機関銃)はほとんど効きません。そのため、青い防御値に対して赤いFPを使うと、そのFPは半減してしまいます。逆に、赤い防御値に対して青いFPを使ってもFPは半減します。

 

 

防御値について

 

 

 

■戦車へのヒット

 

対戦車射撃の手順は前回説明した対歩兵射撃とほとんど同じですが、ヒットした際に置くヒットマーカーが全く異なります。

 

 

戦車のヒットマーカー

[戦車のヒットマーカー] (制限の詳細についてはルールブックを参照)

 

 

 

■徒歩ユニットを輸送中の車両への射撃

 

このゲームでは、どの車両も1個の徒歩(歩兵)ユニットを輸送するか、1門の火砲を牽引するか、1両の行動不能車両を牽引できます(戦車を牽引できるのは戦車だけです)。これには輸送(牽引)する車両が、輸送対象のいるユニットのヘクスへ移動し、輸送対象のユニットの移動コストを消費します。輸送されるユニットのカウンターは、輸送車カウンターの上に向きを同じくして乗せます。輸送したまま移動するときは、グループ移動の原理を使って一緒に移動します。降ろす時は、乗せる時と逆の手順を踏みます。

 

さて、輸送車へ射撃した時はどうなるのでしょうか?

 

輸送車へ何らかの射撃がなされたら、輸送車両と乗車兵のそれぞれについて射撃を解決します。もし乗車兵が射撃に生き残っても、輸送車両のほうが撃破されたら、乗車兵は即座に降車します。「輸送車両の撃破=乗車兵壊滅」ではない点に注意してください。

 

 

 

■迫撃砲ユニット

 

迫撃砲は砲の一種ですが、砲弾を大きく放物線を描いて飛ばす点で特徴的です。このため、通常はLOSを遮断する障害地形の後ろから敵を攻撃する(間接射撃)ことが可能となっていますこの場合、消費するAPはカッコ内の数字を使い、迫撃砲ユニットから2ヘクス以内の1ヘクスが、目標へLOSが引けなくていけません。これは迫撃砲ユニットが、見晴らしのきく場所へ観測兵を送ることを意味します(観測兵はユニットとして存在しません)。

 

迫撃砲の射撃目標は、常に側面防御値を適用します。地形のDMは得られますが、例外的に森林にいる非装甲ユニットは+2DMを得られません(木に接触した砲弾が空中炸裂するため)。

 

 

迫撃砲の間接射撃の例

[迫撃砲の間接射撃の例] ※画像にカーソルを置くとアニメーションを見ることができます。

 

 

 

■盤外砲撃

 

マップから数キロ離れた砲兵陣地から放たれる弾幕砲火もルール化されています。これには、目標とする1ヘクスを選んで、相手に知られないようにヘクス番号をメモしておきます。メモは現在のターン開始前に行います。砲撃実行はそれから1ターン後のターン開始前となります。

 

盤外砲撃はメモした1ヘクスと周囲の隣接7ヘクスに対してなされます。これらのヘクスにいるユニットに対して攻撃を解決します。

 

 

盤外砲撃の例

[盤外砲撃の例] E11を目標ヘクスとした場合、E11に加え周囲6ヘクスにも等しく攻撃がなされます。

 

 

 

■煙幕の射撃

 

口径80mm以上の迫撃砲、盤外砲兵、工兵は、榴弾の代わりに発煙弾を発射できます。シナリオで許されていれば、分隊、戦車、対戦車砲、歩兵砲も発煙弾を発射できます。発煙弾は、目標とするヘクスに必ず命中し、そこに煙幕を生じさせます。以下のように、ユニットの種別によって発射できる範囲は異なります。

 

- 迫撃砲、戦車、対戦車砲、歩兵砲は、射程内の任意の1ヘクスに発射できます。

- 盤外砲兵は、目標ヘクスと周囲6ヘクスに発射できます。

- 工兵は、自身がいるヘクスか周囲6ヘクスのいずれかのヘクスに発射できます。

- 分隊は、自身がいるヘクスに発射できます。

 

煙幕が生じるヘクスには+2DM煙幕カウンターを1個置きます。さらに同じヘクスに発煙弾が発射されたら2個目置かれます。1ヘクスに存在できる煙幕カウンターの個数に制限はありません。

 

煙幕カウンターのあるヘクスにいるユニットは、煙幕によるDMを得られます。

 

+2DM煙幕カウンターは次のターンの開始時に、(煙幕が薄まって)+1DM煙幕カウンターに交換され、+1DM煙幕カウンターは次のターンの開始時に取り除かれます。

 

+2DM煙幕カウンター(もしくは+1DM煙幕カウンター×2個)を通過してLOSは通じません。+1DM煙幕カウンターを通過してLOSは通じますが、その先にいるユニットへの射撃には+1DMが加えられます。

 

 

煙幕配置の例

[煙幕配置の例] ※画像にカーソルを置くとアニメーションを見ることができます。

 

 

 

■回 復

 

ユニットの下に置かれたヒットマーカーは、黙っていても無くなりません。取るには回復を試みる必要があります。

 

1個のユニットが回復をするには5APを消費して2D6をします。この目がヒットマーカーに記載の数字(Rallyの直後にある数字)以上であれば、回復つまりヒットマーカーを取り除きます。

 

No Rallyと記載のマーカーは取り除けません。

 

 

マーカー

[例] 左のマーカーは2D6の目が7以上で回復、右のマーカーは取り除けません。

 

 

今回のチュートリアルはここまで。次回はアクションカードについて説明します。

 

<第6回へつづく>

 

 

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