■シミュレーションゲーム専門誌■【Command Magazine(コマンドマガジン) [シミュレーションゲーム・ミリタリーヒストリー・ストラテジー・アナリシス]】Command Magazine(コマンドマガジン)

■シミュレーションゲーム専門誌■【Command Magazine(コマンドマガジン) 】「コマンドマガジン第20号」コマンドマガジン第20号

 

発売日:1998年4月20日

価 格:3,780円

 

■コマンドマガジンWEBサイト─在庫なし

◆付録ゲーム

 

■Bloody October(マイケル・スミス)

■掲載記事

 

ブラッディ・リッジの死闘/ガダルカナル島最後の決戦/ゆきゆきて神軍飢島にて戦う/新たなる視点で再現する、激闘の真実/ガダルカナル参戦部隊列伝/切手と封筒で読み解く太平洋戦争/遠すぎた島/忘れられた艦隊/南方資源を奪取せよ!/蘭印最後の拠点/ゲティスバーグへの道/輝ける小品ゲーム『エドソンズ・リッジ』/鷲たちの黄昏/『奉天会戦』再考/第一次大戦の会戦級ゲーム(『Over the Top !』) 他

■エラッタ/Q&A

●エラッタ

 

By 向田覚(歩兵第百二十四聯隊−北九州−末裔)

 

本誌20号付録ゲーム『ガダルカナルの戦い』は、1942年10月におけるガダルカナル島(以下ガ島およびガダル戦)の攻防を、陸戦を中心に陸海空各部隊立体作戦で再現した、最新のガダル戦シミュレーションゲームでした。

 

しかし米国公刊戦史をベースに、米国人デザイナーが製作したものだけに、日本軍の脅威を強調し過ぎている嫌いがありました。日本の善戦を讃えればそれだけ、それを圧倒した米軍の値打ちも上がるというカラクリが、公刊戦史にはあるのです。そのためか『ガダルカナルの戦い』は、ルールの曖昧さも手伝って、日本軍がゲーム半ばで勝利する展開が、多く見受けられました。

 

そこで日本人ゲーマーとして、我々に与えられたこの『ガダルカナルの戦い』について、両軍の資料を基にゲームとしての競技性を残しつつ、より再現性の高い改造ルールを提言してみたいと思います。

 

なお項目の頭にある印は、それぞれ○ルール変更または、●ルール明確化を表しています。また、ルールを変更あるいは追加した箇所には、提言ノートを記しております。

 

ただしこれらのルールは、日本の10月攻勢全体を扱った〔17.2〕キャンペーン・シナリオでの使用に限ってのみ考察されている為、9月の川口支隊による攻撃を扱った〔17.1〕練習シナリオには適用できません。

 

このゲームにおいて端数が発生した場合、全て切り捨て処理します。また全ての修正は累積/相殺するものとします。

【地上部隊の例(追加)】

■シミュレーションゲーム専門誌■【Command Magazine(コマンドマガジン) 】「両用戦(米軍LVT)」 両用戦(米軍LVT)

[3.0]手順変更・追加(*がついているものは、何らかのルール変更が施されたものです)

 

●イニシャル・セグメント

 

1. 増援到着フェイズ

2. 海上部隊任務割当フェイズ

3. 日本軍航空部隊任務割当フェイズ*

4. 視界決定フェイズ*

5. 米軍航空部隊任務割当フェイズ*

6. 航空索敵フェイズ

7. ヘンダーソン・フィールド砲爆撃フェイズ*

ヘンダーソン・フィールドを砲撃する日本軍の砲兵ユニット毎に、揚陸した補給ポイントをそれぞれ1ポイントずつ消費します〔7.3.2参照〕。

8. ルンガ泊地攻撃フェイズ*

日本軍は、ルンガ泊地攻撃に割り当てた航空部隊による索敵を行ないます。索敵に成功した場合、ルンガ泊地上空に米CAPがあればそれと空中戦を行ない、その後ルンガ泊地固有の対空射撃を受けて、生き残った爆撃機のみがルンガ泊地攻撃を行なう事ができます〔15.12参照〕。

 

●日本軍プレイヤー・セグメント

 

1. 予備フェイズ

2. 日本軍移動フェイズ

3. 日本軍地上戦闘フェイズ*

米軍の隠蔽陣地に隣接、これを発見した日本軍ユニットは攻撃を強制されます〔10.3参照〕。なお日本軍が攻撃側退却を行なうには、最低練度チェックに成功しなければなりません〔11.4参照〕。日本軍が1箇所でも攻撃を行なう場合、揚陸した補給ポイントから5ポイントを消費しなければなりません〔7.3.1参照〕。

4. 日本軍突破移動フェイズ

 

●米軍プレイヤー・セグメント

 

1. 予備フェイズ

2. 米軍移動フェイズ*

米軍は、ヘンダーソン・フィールドから8ヘックスの範囲外へは4個大隊(中隊は無制限)までしか移動させることができません〔9.10参照〕。

3. 米軍弾幕射撃フェイズ*

米軍は、隠匿マーカで隠されていない日本軍スタックに対して、砲兵と地上支援任務に就いている航空ユニットを使って弾幕射撃を行なえます〔18.0参照〕。この場合、日本軍砲兵と、それ以外のユニットとを分けて攻撃する事もできます〔18.3参照〕。また米軍航空機は、日本軍船舶工兵と、揚陸された補給ポイントに対して爆撃を行なうことができます〔15.4.1参照〕。

4. 米軍地上戦闘フェイズ*

日本軍は砲兵による防禦支援を行なえません〔12.4参照〕。日本軍の隠蔽陣地に隣接、これを発見した米軍ユニットは攻撃を強制されます〔10.3参照〕。

5. 米軍突破移動フェイズ

 

●ファイナル・セグメント

 

1. 海上迎撃フェイズ

2. 上陸フェイズ*

日本軍海上部隊が輸送してきた補給ポイントの揚陸は、船舶工兵のステップ数によって制限を受けます〔14.5参照〕。

3. 艦砲射撃フェイズ

4. ヘンダーソン・フィールド修理フェイズ

5. 艦艇修理フェイズ

6. 日本軍補給判定フェイズ*

日本軍プレイヤーはガ島の補給ポイントを計算します。ゲーム中、ターンの終了時に一度でも10ポイント以上になれば、日本軍は次のターンからヘンダーソン・フィールドから8ヘックス以内に移動可能となります〔7.3参照〕。

[4.1] 視界(変更)

各イニシャル・セグメントにおいて、日本軍の航空任務割り当てが終わってから、視界決定を行ないます。この場合、もし天候不良の結果が出て、日本軍の航空任務が無駄になったとしても、それらの航空機は「整備」欄に送られ、次のターンには任務につけないものとします。

 

米軍は、日本軍の航空割り当てと視界を確認してから、自らの航空任務を割り当てる有利な面があります。

[5.1] 支配地域(変更/追加)

両軍全ての中隊規模ユニット、砲兵(自走砲、山砲、迫撃砲を含む)、および対戦車砲ユニットはZOCを有しません。

 

これらに加えて両軍の戦闘工兵部隊、設営部隊と日本軍の船舶工兵部隊、輸送部隊もZOCを持たないこととします。これらは例え大隊/連隊規模であっても、ZOCを持ちません。

 

また米軍の場合、塹壕/隠蔽陣地〔10.3参照〕内に機関銃/重火器中隊がおり、なおかつZOCを有する部隊とスタックしているなら、浸透移動した日本軍に対して影響を与える「機関銃ZOC」を持つことができます〔5.5参照〕。この米軍の「機関銃ZOC」は、浸透移動してきた日本軍に損耗を強要する以外に、何ら効果はありません。

[5.5] 日本軍の浸透移動(変更)

浸透移動を行なえるのは、以下の4種類の日本軍ユニットだけです。

 

1. 歩兵部隊(規模は問いません)

2. 戦闘工兵(規模は問いません)

3. 機関銃中隊

4. 戦車中隊(独立戦車第1中隊)

 

また米軍の「機関銃ZOC」を浸透移動した場合、浸透移動を行なった日本軍ユニットはそれぞれ1ステップを失います。米軍のこの「機関銃ZOC」は、浸透移動を行なう日本軍に損耗を強要する以外、通常のZOCとなんら変わることはありません。従って機関銃ZOCは、日本軍の退却に追加の影響を与えることはありません。

 

なお原則として、日本軍の機関銃中隊や独立工兵中隊も浸透移動できますが、これらは1ステップしか持たないので、米軍の「機関銃ZOC」を浸透移動した場合、自動的に除去されてしまいます。

[5.6] 退却に対する影響(明確化)

「自軍ユニットがいない敵ZOCに退却したユニットは」を「その(退却が生じた)戦闘に参加していない自軍ユニットがいない敵ZOCに退却したユニットは」に読み替えてください。

[6.3] スタッキング制限対象外の駒(明確化)

ダミーユニットは、1ステップ分のスタック値を有します〔10.2〕。なお両軍の隠匿マーカは、スタッキング制限対象外のマーカーである事に注意してください。

[7.3] 補給ポイント(変更/追加)

日本軍は10補給ポイントを蓄積するまで、ヘンダーソン・フィールドの8ヘックス以内に近付く事はできません。あるターンの終わりに揚陸・蓄積している補給ポイントが、10ポイントに達しているなら、次のターンからこの制限は無くなります。一度でも10ポイントに達したなら、以後攻撃消費などで10ポイント未満になったとしても、ヘンダーソン・フィールドの8ヘクス以内から退出する必要はありません〔9.8参照〕。このゲームでは、日本軍はショートランドに無尽蔵の補給ポイントを有しているものと考えます。また地上部隊は「補給線」を引く必要はありません。その代わり、日本軍は揚陸した補給ポイントによって攻撃やヘンダーソン・フィールド砲撃に制限を受けます。

 

マップ上の「日本軍揚陸補給ポイント表(Japanese Supply Track)」には30ポイントまでしか表示がないので、ポイント表示マーカの裏に「30+」と書込んで、超過分を表示するなど工夫してください。

[7.3.1] 日本軍攻撃ターン消費

日本軍が、攻撃を1箇所でも行なう場合には、必ず5補給ポイント(5SP)を消費しなければなりません。この攻撃消費が支払えない場合、そのターンの日本軍の攻撃は、全て最低比攻撃となります。

 

補給ポイントの消費は、日本軍地上戦闘フェイズ開始時に行ないます。ヘンダーソン・フィールドの8ヘクス以内に近付くための、10補給ポイントの判定は、ターン終了時に行なうことに注意してください。

[7.3.2] ヘンダーソン・フィールド砲撃消費

日本軍砲兵ユニットが、ヘンダーソン・フィールドに対して砲撃を行なう場合、全ての砲撃を宣言し、各砲兵ユニットにつき1補給ポイントを、砲撃を行なう直前に消費しなくてはなりません。当然、補給ポイントを消費できない砲兵は、この砲撃を行なう事ができません〔12.6参照〕。砲撃を宣言した各ユニット毎に、1ポイントを消費することに注意してください。

[8.1] 予備(明確化)

敵ユニットに隣接された予備部隊は、直ちに予備マーカを取り除かれ、予備の資格を失います。

 

敵に隣接しているユニットは、予備になることができません。

[9.3] 道路(Roads)

舞鶴道(Maizuru Road)は、日本軍しか利用できません。また舞鶴道は、原則としてジャングル地形とみなされます。したがって舞鶴道には戦車、通常の砲兵は進入できません。舞鶴道としての利点は、移動力消費が通常のジャングルに比べて、若干軽くて済む事(1.5MP)と、マタニカウ河渡河(1107〜1207)による追加移動力消費の打ち消しだけです。

【ジャングル/尾根(Jungle/Ridge)】

ジャングルを含む尾根ヘックスには、道路を利用しない限り戦車、通常の砲兵は進入できません。どの部隊でも進入可能な尾根は、ヘックス2105(唯一の平地尾根)だけです。

【ジャングル・ヘクスサイド】

道路がない限り、戦車と通常の砲兵は通過できないものとします(例:3807から3908など)。

【河川ヘクスサイド】

道路がない限り、戦車と通常の砲兵は、河川ヘクスサイドを越えることができません。

[9.6] 海上移動(全文修正)

元のルールを以下の様に明確化、及び修正します。

 

●米軍

 

海上移動できるユニット 歩兵、戦闘工兵、突撃部隊、機関銃/重火器中隊、LVT(設営部隊、戦車、通常の砲兵、対戦車砲は海上移動できません)。

 

1ターンに海上移動できる回数 1ユニットのみ(LVTはこの制限に含めません)。

 

移動方法

 

〈開始時〉海岸ヘクス(敵に隣接していてもかまいません)

 

〈終了時〉海岸ヘクス(原則として敵部隊、敵ZOCの存在しないヘクス)。そして上陸した海岸ヘクスで、その移動を終了します。海上移動を行なうユニットは、その移動フェイズの終了時に、必ずいずれかの海岸ヘクスで移動を終えなければなりません(洋上滞在はできません)。なお海上移動で上陸した海岸ヘックス、またはその隣接ヘックスに敵の隠蔽陣地があり、それを明らかにした場合〔10.3参照〕、半減戦力(端数切捨)での攻撃を強制されます。もしその上陸が、敵の隠蔽陣地ヘックスに直接行なわれたものだった場合、その上陸戦闘で敵を撃退(全滅または退却)できなければ、上陸ユニットは除去されます。

 

戦闘への影響 海上移動していない他の友軍ユニットと共同して、敵ユニットを攻撃できます。また海上移動したユニットの戦闘にも、砲兵支援等を利用できます。ただし、敵の隠蔽陣地ヘックスに直接上陸してしまった場合、その上陸戦闘で敵を撃退(全滅または退却)できなければ、上陸ユニットは除去されることに注意してください。

 

 

●日本軍

 

海上移動できるユニット 船舶工兵のみ(全部で4ユニットあります)。

 

1ターンに海上移動できる回数 1ユニットのみ。

 

移動方法

 

〈開始時〉上陸エリア

 

〈終了時〉海岸ヘクス(原則として敵部隊、敵ZOCの存在しないヘクス)。そして上陸した海岸ヘクスで、その移動を終了します。「上陸エリアから上陸エリア」や「海岸ヘクスから上陸エリアへ」の海上移動はできません。ただし、一旦海岸ヘクスへ上陸した後は、陸上移動または退却等によって上陸エリアへ入る事ができます。海上移動を行なう船舶工兵は、その移動フェイズの終了時に、必ずいずれかの海岸ヘクスで移動を終えなければなりません(洋上滞在はできません)。なお海上移動で上陸した海岸ヘックス、またはその隣接ヘックスに敵の隠蔽陣地があり、それを明らかにした場合〔10.3参照〕、日本軍の船舶工兵は最低比で攻撃しなければなりません。もしその上陸が、敵の隠蔽陣地ヘックスに直接行なわれたものだった場合、その上陸戦闘で敵を撃退(全滅または退却)できなければ、上陸ユニットは除去されます。

 

戦闘への影響 日本軍船舶工兵の戦闘力は、(任意の)攻撃には使用できません。ただし敵の隠蔽陣地ヘックスに直接上陸してしまった場合、最低比による上陸戦闘で敵を撃退(全滅または退却)できなければ、船舶工兵ユニットは除去されることに注意してください。

[9.8]

キャンペーン・シナリオの場合、日本軍はゲーム中、ターン終了時に一度でも10補給ポイント以上蓄積するまでは、ヘンダーソン・フィールドの8ヘックス以内に進入することはできません。

[9.9] 上陸エリア(明確化)

日本軍は、地上ヘクスから上陸エリアへ、地上移動や退却を行なえます。ただし地上ヘクスから上陸エリアへ、戦闘後前進は行なえません。退却のヘクス数に関わらず、退却は上陸エリアへ退却するだけで済みます。なお移動コストと対船舶工兵爆撃〔15.4.3参照〕に関して、上陸エリアの地形はグローブ/道路と見なし、スタック制限は無制限とします。上陸エリアから隣接する地上ヘクスへと浸透移動を行なうこともできます。

 

また日本軍は、上陸エリアからマップにつながるヘックスに米軍ユニットが存在する場合、タサファロング上陸エリアからヘクス0103へ」または「コリ上陸エリアからヘクス4106、4107へ」と、それらのヘクスに対して攻撃を行なうことができます。コリ上陸エリアの場合、ヘクス4106、4107の両方に攻撃を行なうこともできます。その際、上陸エリア内で、攻撃に参加するユニットと参加しないユニットがあっても構いません。コリ上陸エリアの場合、ヘクス4106、4107の両方にユニットを振り分けることもできます。上陸エリアにある砲兵も攻勢支援を行なう事ができます。この場合、射程に関係なく、攻撃支援が行なえるのは、タサファロング上陸エリアならヘクス0103、またはコリ上陸エリアならヘクス4106、4107の3ヘクスだけです。また夜襲〔11.11参照〕や諸兵連合効果〔11.12参照〕も利用できます。またこの際、他の地上ヘクスにいる友軍ユニットと共同して、攻撃や攻撃支援も行なえます。言い換えるなら、上陸エリア内からの攻撃力と、地上ヘクスからの攻撃力を合計でき、上陸エリア内からの砲兵支援と、地上ヘクスからの砲兵支援を合計できます。上陸エリア内のユニットは戦闘の結果、攻撃側退却を許されたなら〔11.4参照〕、その退却を事実上無視できます。また逆に上陸エリアから戦闘後前進する場合、敵のいたヘクスまでしか前進できません(上記3ヘクスのいずれか)。

[]9.10 米軍の移動制限(追加) キャンペーン・シナリオの場合、米軍はそれぞれ米軍移動フェイズ、米軍突破移動フェイズ、日本軍移動フェイズ(米軍の反応移動)の終了時、また両軍の戦闘フェイズにおいて、ヘンダーソン・フィールドから9ヘックス以上離れた(マップ上に引かれた8ヘクスラインを越えた)場所へは、大隊規模のユニットを4個までしか存在させることができません。上記各フェイズ終了時に、5ユニット以上の大隊規模ユニットがあるのが判明した場合、日本軍プレイヤーが任意で超過したユニットを除去できます。なお中隊規模ユニットには、この制限は課されません。

 

米軍が海上移動する際、このルールを忘れないように注意すべきです。なお、戦闘後前進や退却によって、ラインを越えて5個以上の大隊が存在する事も許されません。既にラインを越えて、大隊規模ユニットが4個存在する場合には、戦闘後前進と退却は次の様に処理します。

 

〈戦闘後前進の場合〉ラインを越えての戦闘後前進は、行なえません。

 

〈退却の場合〉ラインを越えての退却は、行なえません。もしそういったヘクスしか退却できない場合は、そのユニット/スタックは除去されます。

[10.1] 両軍の隠匿マーカ(変更)

キャンペーン・シナリオの場合、米軍にも日本軍と同じ個数(隠匿10個、ダミー8個)の隠匿マーカ、ダミーユニットが与えられます。使い方は元のルールと同様です(米軍が使用することによる記述の読み換えが必要ですが)。

 

隠匿マーカを置かれた部隊は、ジャングル、ジャングル/尾根ヘックス(舞鶴道は原則としてジャングル扱いである事に注意)しか移動できません。それ以外の地形(道路の使用も含む)に進入した場合、隠匿マーカは直ちに取り外されます。

 

また攻撃、防禦、砲撃のいずれかを行なった場合も、直ちに隠匿マーカは取り外されます。砲撃の場合、それを行なった砲兵だけでなく、スタック全体として隠匿マーカが取り外されます。もちろん敵ZOC内に入った瞬間にも、隠匿マーカは取り外されます。

 

塹壕/隠蔽陣地マーカと隠匿マーカが同一ヘックスにあった場合、塹壕/隠蔽陣地の上に隠匿マーカが置かれます(相手には塹壕/隠蔽陣地の存在が分からないわけです)。

場合によっては、隠匿マーカを載せたユニットと、そうでないユニットが、同一ヘックスで混在する事もあります。

[10.2] ダミー・ユニット(変更/明確化)

日本軍だけでなく、米軍にも日本軍と同数(8個)のダミー・ユニットが与えられます。

 

両軍の各ダミー・ユニットは、スタックに関してのみ1ステップと見なされます。またダミー・ユニットは、海上移動を行なうことはできません〔9.6参照〕。

[10.3] 隠蔽陣地(追加)

キャンペーン・シナリオの場合、セットアップ時に米軍3ヘックス、日本軍1ヘックスまで「隠匿陣地」を別紙にプロットしておくことができます。隠蔽陣地はジャングル、ジャングル/尾根にしか設定できません(それらの地形に村/施設や道路が含まれていてもかまいません)。この際、設定する場所は、セットアップで規定されている範囲内でなければなりません。

 

隠匿陣地の効果は敵ユニットが隣接するまでそのヘックスに置かれたユニットをマップ上に置かなくて済む点(完全秘匿)と、隠蔽陣地に隣接これを発見した敵スタックに攻撃を強要させる点(マストアタック)です〔11.1参照〕。

 

また存在が明らかとなった後の隠蔽陣地は、塹壕〔9.5参照〕と同じ防禦効果を持ちます(これは両軍に与えられた塹壕マーカの数を超過する例外的ルールです。自作するか他から流用するなりして追加してください)。

 

また存在が明らかになるまでは、必ずしも自軍部隊がそのヘックスに存在している必要はありません。存在が明らかとなった後は、通常の塹壕と同様、自軍部隊が存在しなくなった瞬間にゲームから取り除かれます(塹壕マーカとして再使用できません)。

 

なお、隠蔽陣地があるからといって部隊ユニットを隠す必要はありません。マップ上から隠すかどうかは任意です。隠蔽陣地には、砲兵ユニットも配置する事ができますが、隠れたまま砲撃を行なった場合、自動的に隠蔽陣地の存在が明らかとなります(そのヘックスにいる砲兵以外の隠蔽ユニットも全てマップ上に登場させられます)。

 

なお隠蔽陣地は、初期配置時にのみ設定する事ができ、塹壕のようにターン中に新たに作る事はできません。

[11.1] 地上戦闘(変更)

敵の隠蔽陣地に隣接、これを発見したスタックを除き〔10.3参照〕、攻撃は強制ではありません。日本軍は、砲兵による防禦支援を行なう事ができません〔12.4参照〕。

 

ただし日本軍の場合、一箇所でも攻撃戦闘を行なった場合、5補給ポイントを支払わなければなりません。蓄積した補給が5ポイントに満たない状態で行なわれた攻撃は、全て最低比攻撃となります(逆に言うと、5補給を持たない時でも、最低比で構わなければ攻撃が可能という事です)。

[11.4] 戦闘結果(変更)

日本軍が攻撃側退却を行なう場合、6面体サイを一つ振り、出た目がその攻撃に参加した部隊の中で最も練度の低い部隊の練度以下でなければなりません。日本軍は、この練度チェックに成功しない限り、必ずステップロスで戦闘結果を満たさなくてはなりません。日本軍が防禦側の場合は、練度に関わらず退却を選択することができます。

[11.7] 戦闘後前進(追加)

戦闘後前進によって敵の隠蔽陣地に隣接、これを明らかにした場合、ZOCの有無に関わらずその時点で戦闘後前進を停止しなければなりません。この場合、戦闘後前進を行なった部隊は既に戦闘を終えているので、強制攻撃の義務はありません。

 

またこの時、隠蔽陣地ヘックスに部隊ユニットが存在しないなら、誰も入っていない塹壕マーカと同じく、ゲームから取り除かれます(それでも敵の戦闘後前進を停止させる効果はあります)。

[11.8] 練度差(追加)

日本軍航空隊のルンガ泊地攻撃が成果を挙げた場合、米軍全地上部隊の練度が、一時的に1または2低下することがあります〔15.12参照〕。

[11.9] 地形の影響(明確化)

 

1. 河川ヘックスサイドは、攻撃側の全てがそれを越えて攻撃してくる場合のみ、効果を及ぼすものとします。

 

2. 戦車は、道路がない限りジャングル・ヘックスサイドを越えて攻撃を行なうことができません(例:3907〜3906や2907〜2807。逆も同様)。

 

3. 〔11.11〕戦闘後前進の制限(明確化) ジャングルを少しでも含む尾根(ジャングル/尾根)は、戦闘後前進の目的ではジャングルと見なされ、1ヘックスの前進しか許されません。

 

4. 〔11.12〕諸兵連合効果(追加) ただし、防禦側に歩兵と対戦車砲(または戦車)が含まれる場合、攻撃側の諸兵連合効果は打ち消されます。

[12.1] 概説(追加)

米軍砲兵は、射程内にいる隠匿マーカの置かれていない日本軍スタックを、単独で、または他の砲兵と共同で、さらに地上支援任務の航空機と共同で弾幕射撃することができます〔18.0参照〕。日本軍の砲兵は防禦支援を行なえません。

 

攻撃支援やヘンダーソン・フィールド砲撃を行なった日本軍砲兵ユニットは、必ずスタックの一番上に置かれなければなりません。なぜなら同一ターンの米軍弾幕射撃フェイズにおいて、対砲兵射撃の目標とされる可能性があるからです〔18.3参照〕。

 

米軍の弾幕射撃を含めて、砲兵は1ターンに一度だけ、その砲撃力を用いることができます。

[12.4] 防禦支援(変更)

防禦支援が行なえるのは、米軍だけです。日本軍砲兵には、その能力がありません。

[12.6] ヘンダーソン・フィールドに対する砲撃(追加)

ヘンダーソン・フィールドを砲撃する日本軍砲兵ユニット毎に、1補給ポイントを支払わなければなりません。補給ポイントの消費は、ヘンダーソン・フィールドに対する砲撃を宣言した段階で行ないます(個々の砲撃結果を判定する前です)。補給ポイントが支払えない砲兵は、ヘンダーソン・フィールドを砲撃することができません。

 

またヘンダーソン・フィールドに損害が出る毎に、同基地所属の航空機が1ステップを失うのは10面体サイを振って以下の状況の場合だけとします。

 

1. それが戦艦を含む艦砲射撃であるなら、出た目が「1〜5」である毎に。

 

2. 戦艦を含まない艦砲射撃、または航空爆撃の場合、出た目が「1〜3」である毎に。

 

3. 陸上から砲撃した砲兵による場合、出た目が「1」である毎に。

[13.1] 日本軍の船舶工兵と米軍LVT(追加)

日本の船舶工兵はZOCを持たず、任意で攻撃を行なうこともできません。その代わり、1ターンにつき、船舶工兵1ステップ毎に5補給ポイントを揚陸させることができます。

 

ただし船舶工兵は決して隠蔽陣地によって秘匿されず、隠匿マーカで隠される事もありません。可能な限り、常にスタックの一番上に置かれて、その存在を明らかにしておかなければなりません。なぜなら船舶工兵は、米航空機による爆撃の対象とされるからです〔15.4.3参照〕。ただし砲撃を行なった砲兵と一緒の場合、砲兵がスタックの一番上に置かれるので〔12.1参照〕、船舶工兵の存在は米軍に逐一申告しなければなりません。なお上陸エリアに存在する船舶工兵は、グローブ地形にあるものとして爆撃されます〔18.2参照〕。

[13.4] 米軍の重火器/機関銃中隊(追加)

米軍の重火器/機関銃中隊は、ZOCを有する自軍部隊とスタックし、なおかつ塹壕/隠蔽陣地内にいるなら「機関銃ZOC」を及ぼす事ができます〔5.5参照〕。ちなみに機関銃ZOCが重複しても、日本軍に与える効果は累加されません。

[14.5] 海上輸送任務(追加)

補給ポイントの揚陸は、その上陸エリアに存在する船舶工兵のステップ数に依存しています。船舶工兵の各1ステップ毎に、それぞれ5補給ポイントを揚陸することができます。この際、船舶工兵は既にそのエリアに前から存在していたものと、そのターンの輸送で運ばれてきたものとで差別される事はありません。

[15.2] 航空作戦(追加)

日本軍による「ルンガ泊地攻撃」が追加されます〔15.12参照〕。これに該当する任務ボックスはないので、ガ島ルンガ・ポイント沖にでも、まとめて置いてください。

[15.3] 戦闘空中警戒(追加)

米軍に「ルンガ泊地上空」が追加されます。日本軍が「ルンガ泊地」に爆撃機を送ったら、それに対応してCAPを派遣できます。

[15.4] 地上支援(追加)

米軍機は戦闘支援の他、下記の地上爆撃を行なうことができます。これらの航空機は利便上、地上支援任務ボックスに置かれますが、それぞれの任務に応じて、そこから逐次投入する形で派出させてください。また、いずれの対空射撃も、任務遂行後に行なわれるものとします。

[15.4.1] 弾幕射撃(追加)

米軍弾幕射撃フェイズにおいて米軍機は、射程距離無制限の砲兵と見なし、地上爆撃力を使用して弾幕射撃を行なえます〔18.0参照〕。ただし航空機の参加した弾幕射撃毎に、対空火力「1-3」のコラムで対空射撃を受けます。

[15.4.2] 日本軍補給ポイント爆撃(追加)

各ターンの米軍弾幕射撃フェイズにおいて米軍機は、ガ島に揚陸された日本軍補給ポイントに対して、爆撃を行なうことができます。

 

この場合、まず「海上索敵表」で発見の結果を得なければ、爆撃を行なえません。この際、視界が通常ならばサイの目に+1の修正が加わります。索敵に失敗した航空機はヘンダーソン・フィールドに帰投させられますが、整備を行なう必要はありません(次ターンに、すぐ使用できます)。

 

発見に成功した場合、各機の『対艦攻撃力』を合計して「ヘンダーソン・フィールド砲爆撃結果表」にあてはめ、10面体サイを振って出た目と交差した数字が、減少させる日本軍補給ポイントとなります。ただし補給ポイントはゼロを下回る事はありません。

 

そして爆撃を行なった米軍機は、まとめて対空火力「1-3」のコラムで対空射撃を受けます。

 

なお日本軍は、ガ島に揚陸された補給ポイントに対して、CAP(戦闘空中哨戒)を割り当てる事はできません。

[15.4.3] 日本軍船舶工兵爆撃(追加)

各ターンの米軍弾幕射撃フェイズにおいて、米軍機は、日本軍船舶工兵に対して爆撃を行なうことができます。

 

この場合、まず「海上索敵表」で発見の結果を得なければ、爆撃を行なえません。この際、視界が通常ならばサイの目に+1の修正が加わります。索敵に失敗した航空機はヘンダーソン・フィールドに帰投させられますが、整備を行なう必要はありません(次ターンに、すぐ使用できます)。

 

発見に成功した場合、複数の船舶工兵が同一の上陸エリアにいるならまとめて1回、各ヘックスに分散しているならヘックス毎に、地上爆撃力を合計して弾幕射撃を行なえます〔18.0参照〕。上陸エリアにいる船舶工兵は、グローブ地形にあるものとして爆撃されます〔18.2参照〕。

 

そして爆撃を行なった米軍機は、まとめて対空火力「1-3」のコラムで対空射撃を受けます。

 

なお日本軍は、船舶工兵に対してCAP(戦闘空中哨戒)を割り当てる事はできません。

[15.8] 空中戦の手順(2)

目標が日本軍の一式陸攻(Betty)なら、「空中戦結果表」で振られる10面体サイの目から−1されます。例えば、ヘンダーソン・フィールド上空でCAP任務にあった米軍F4F戦闘機が、一式陸攻を迎撃した場合、−2修正を得る事ができます。

[15.9] 対空射撃(追加)

米軍の対地攻撃(弾幕/対補給/対船舶工兵)、日本軍のルンガ泊地攻撃でも対空射撃が発生します。

 

この場合、米軍の対地攻撃に対する対空火力は「1-3」です。日本軍のルンガ泊地攻撃に対しては固有の対空火力「31+」を有しているものとします。

[15.11] 米航空機の無条件整備(追加)

 

各米軍プレイヤー・セグメント終了時、ヘンダーソン・フィールドの損害レベルが正数(+)であれば、その数だけ「整備(Refit)」欄にある航空機ユニットをホールド・ボックスに移すことができます(次ターンすぐ使用できる事を意味します)。

 

ただしこの場合、戦闘機用滑走路(ファイター1:3107/3206)の内、1ヘクスでも日本軍に占領されているなら、この無条件整備能力から2が減算されます。

 

例外(追加) 日本軍補給ポイント爆撃、または船舶工兵爆撃で索敵に失敗し、爆撃せずに帰投した米軍機は、整備を行なう必要はありません。

[15.12] ルンガ泊地攻撃(日本軍のみ/追加)

 

日本軍の航空機は、ルンガ泊地の米輸送船団や揚陸物資を爆撃して、米地上部隊の練度を一時的に低下させる事ができます。

この場合、まず「海上索敵表」で発見の結果を得なければ、攻撃を行なえません。この際、視界が通常ならばサイの目に+1の修正が加わります。索敵に失敗した航空機は帰投して「整備」欄に置かれます。

 

発見に成功した場合、次に米軍CAPによる航空索敵を受けます〔15.6参照〕。CAPに発見されたか否かによってルンガ泊地に対する攻撃解決の順番が変わります。この順番についてはヘンダーソン・フィールド爆撃と同様です〔15.5参照〕。

 

空中戦、対空射撃によって撃墜/帰還しなかった航空機ユニットだけが、ルンガ泊地攻撃を行なうことができます。各機の『対艦攻撃力』を合計して「対空戦闘結果表」にあてはめ、10面体サイを振って出た目と交差した数字が、このターンの間、低下する米軍練度となります。

 

なおルンガ泊地の場合は、固有の対空火力「31+」を有しているものとします。

[16.2] ヘンダーソン・フィールドの損害(追加)

 

無条件整備能力 各米軍プレイヤー・セグメント終了時、ヘンダーソン・フィールドの損害レベルが正数(+)であれば、その数に等しいだけ、「整備(Refit)」欄に置かれた航空機ユニットを自動的に、稼働状態に戻すことができます〔15.11参照〕。ただしこの場合、戦闘機用滑走路(ファイター1:3107/3206)の内、1ヘクスでも日本軍に占領されているなら、この無条件整備能力から2が減算されます。

[18.0] 米軍の弾幕射撃(追加)

 

18.1 概説 米軍は、敵ZOCにいない砲兵と地上支援任務の航空機を使用して、隠匿マーカの置かれていない日本軍スタックに弾幕射撃を加えることができます。弾幕射撃では使用できる砲撃力/地上爆撃力に制限はありません。

 

18.2 弾幕射撃の細則 弾幕射撃は、米軍移動フェイズの後に行なわれます。砲兵は直前の移動フェイズに移動を行なっていても弾幕射撃を行なえます。射程距離内であれば、地形によって妨害されることなく弾幕射撃を行なえます。弾幕射撃を行なう航空機は射程距離無限の砲兵と見なされます。

 

ある目標に対する弾幕射撃は、砲撃力/地上爆撃力を合計し、「対空戦闘結果表」を利用して10面体サイを一つ振ります。数字(1〜2)の結果が出た場合、それは日本軍が失うステップ数を表します。どのユニットに損害を割り振るかは、日本軍プレイヤーが決めます。この際、全てのユニットがその攻撃で損害を受けない限り、特定のユニットに損害を集中して除去することはできません。なお、超過した損害数は無視されます。

 

米軍塹壕/隠蔽陣地に隣接する全ての日本軍、または平地やグローブ地形に対する弾幕射撃では、サイの目に−1修正が適用されます。逆に日本軍が塹壕/隠蔽陣地内にいるならサイの目に+1修正が適用されます(これらの修正は累積します)。

 

18.3 対砲兵射撃 弾幕射撃は、日本軍スタック内の砲兵ユニットに対して行なうものと、スタック全体に対して無差別に行なうものとがあります。通常はスタック全体に対して弾幕射撃が行なわれますが、日本軍が砲撃を行なって砲兵の存在を露わにした場合〔12.1参照〕に限り、対砲兵射撃を宣言する事ができます。これは損害を砲兵ユニットから出す事を日本軍プレイヤーに強制するものです。

対砲兵射撃を行なう場合、これとは別に砲兵以外の部隊全体に対する弾幕射撃も行なえます。ただしこれは全く別の弾幕射撃と見なされます。

 

18.4 弾幕射撃の航空機 米軍弾幕射撃フェイズにおいて、地上爆撃力を使用して弾幕射撃を行なった航空機は、参加した弾幕射撃毎に、まとめて対空火力「1-3」のコラムで対空射撃を受けます。

【キャンペーン・シナリオのセットアップについて】

セットアップを容易にする為、ユニットの右隅にペンで印を付ける事をお勧めします。その際、減少戦力面で配置されるユニットがあるので注意してください。

 

また米軍のSBD爆撃機の配置が、3ユニットになっていますが、これは4ユニットの間違いと思われます。

【追加カウンター】

本ヴァリアント・ルールを使用する際に必要となるカウンター(米軍ダミー・ユニット、隠匿マーカー、両軍の隠蔽陣地マーカー)が必要になります。