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『日露大戦』

昨年に引き続き、今年も「ウォーゲーム・ハンドブック2011」を出版します。「これからウォーゲームを始めたい」という方に最適な内容で、

  •   ●入門用ウォーゲーム『日露大戦』
  •   ●『日露大戦』サポート記事&リプレイ
  •   ●ゲーム・コラム「野獣(のけもの)げぇまぁ」
  •   ●4コマ漫画「ゲーマー妻のユーウツ」

と、昨年同様盛り沢山。6月12日開催のゲームマーケット2011春で先行販売の予定です。

 

■ニュース:『日露大戦』 「『日露大戦』 マップ」

 

『日露大戦』は、軍団〜師団規模の日露戦争のキャンペーン・ゲーム。ゲームの範囲は鴨緑江会戦から奉天会戦までで、『日露戦争』(エポック/JWC)とほぼ同じです。マップ・サイズはA3判、ユニットは15mm角サイズでマーカーを含めて40個。

 

■ニュース:『日露大戦』 「『日露大戦』 プレイイメージ1」

 

入門用を意識しているのでシークエンスは移動と戦闘だけですが、プレイヤー・ターンの最後にカード・プレイがあり、両軍プレイヤーは手札を使って、

  •   ●カードに記載されたイベントを実行
  •   ●増援を登場させる
  •   ●強行軍を行う(移動または戦闘フェイズをもう1回行う)

ことができます。『No Retreat!』(VPG/WWS)同様、カードが国力を表すという概念です。画像はロシア軍のミスにつけ込み、日本軍が1904年初夏に、早くも遼陽に攻め込んだところ。すわ、遼陽陥落か、というところでロシア軍プレイヤーは「マカロフ中将」を使用、旅順艦隊が出撃して日本の海上輸送に大損害を与え、攻勢を断念させたところです。

 

「マカロフ中将」は強力なカードである反面、「機雷」によって排除されるリスクがあるため、ロシア軍プレイヤーにとって使いどころが難しいのですが、日本軍プレイヤーが常に総力戦体制で手札全てを使用していたため、妨害されることはないと判断、旅順艦隊の出撃となったわけです。

 

■ニュース:『日露大戦』 「『日露大戦』 プレイイメージ2」

 

その後、一度は遼陽を占領した日本軍ですが、ロシア軍の反撃に遭って奪回されてしまいます。

 

勝利条件は、敵軍のモラルを「0」に低下させること。旅順、大連、遼陽、奉天の重要地点を占領されるとモラルが1低下します。また、1ターンの間に部隊を失うと、その数によってモラルが低下することがあります。また、自発的にモラルを1下げることでカードを1枚得ることが可能です。序盤、日本軍は重要地点を失ってモラルが下がる心配はないため、主導権を得るため、モラルを下げて手札を増やす努力も必要になるでしょう(リソースを無理に使用するわけです)。

 

上の写真はゲーム終盤。「乃木希典」「児玉源太郎」のおかげで日本軍はどうにか旅順を落としたところで、ロシア軍のモラルは「2」。奉天まで行くのは困難と考えた日本軍プレイヤーは、海城でロシア軍と決戦を挑む──敵軍ユニットの一斉除去によるモラル・ダウンを狙ったわけです。そして目論見通り2個軍団を包囲殲滅しましたが、ロシア軍はモラル・チェックに成功。最終ゲーム・ターン、遼陽でもう一度、決戦を挑むも「マキシム機関銃」に返り討ちに遭って攻撃失敗、ロシア軍は戦意旺盛なままゲーム・エンドとなりました。日本軍の敗北です。

 

勝利条件は一つですが、それを達成するための手段が様々なので、プレイヤーは頭を悩ませることになるでしょう。また限られたリソースをどう使うのか、判断が難しいかもしれません。「ウォーゲーム・ハンドブック2010」の『ノルマンディ上陸作戦』(DDH)に比べるとカードが増えた分、システムは複雑になっていますが、それ以外は殆ど同じルールです。ステップ・アップにもちょうど適した作品に仕上がっています。

 

(2011/04/12更新)