【付録ゲーム】
ブルー&グレー (クリストファー・J・アレン他)
■付録ゲーム 『ブルー&グレー』 | ||
【シャイロー】 ◆マップ全体(A2サイズ変形) |
【アンティータム】 ◆マップ全体(A2サイズ変形) |
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【セメタリー・ヒル】 ◆マップ全体(A2サイズ変形) |
【チカマウガ】 ◆マップ全体(A2サイズ変形) |
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◆ユニット1(表面/12.5mm) |
◆ユニット2(表面/12.5mm) |
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◆ユニット(一部拡大/12.5mm) |
◆ユニット(一部拡大/12.5mm)
※上記ユニットはコマンドマガジン第57号『1942』の訂正・追加カウンターと、はがきゲーム『シュペー号追撃戦』(a-gameショップ特典)カウンターです。 |
《『ブルー&グレー』が描き出す軍事的課題と、ウォーゲームのベーシックとは》
『ブルー&グレー』は南北戦争の四つの戦いを作戦級のスケールで再現したウォーゲームです。基本システムに、マストアタック、強ZOCを採用した、19世紀以前の会戦級を再現するのに適した「NAWシステム」を採用しています。シンプルなルールにもかかわらず、四つの戦場それぞれの軍事的課題を盤上に表現しています。
また、ルール構成はSPI版(1975年)に基づいています。後に『ブルー&グレー』はTSR社で再販され(1984年)、その際に若干のルール改訂が行われました。変更箇所についてはルールの該当箇所で「TSR版ルール」として記述してありますので、SPIオリジナルでも、TSR版としてでもプレイできます。
『シャイロー』 …… 単一の戦闘としては米国史上最大規模の戦いを作戦レベルで再現したゲームです。2日間に及ぶ戦闘には3個軍、約10万人の兵員と海軍が参加、戦闘終了時には死傷者は2万3000名を数えました。北軍のテネシー軍がオハイオ軍と合流する前に叩いてしまおうという、南軍のミシシッピ軍の行動が戦闘の発端です。戦術的には北軍の辛勝ですが、その戦略的な意味は非常に大きなものでした。南軍の計画が実現していれば、テネシー州は南軍に奪還されることとなり、西部戦域における北軍の攻勢能力は最低でも1年間、失われるところでした。そして南軍の北部侵攻という脅威は現実的ではなくなったのです。シャイローにおける北軍の勝利は、他の戦闘以上に、西部戦域の南軍の命運を決定づける戦いでした。「アルデンヌ攻勢」によく似た、攻撃と反撃が楽しめるゲームとなっています。
『アンティータム』 …… 南北戦争の開戦から一年、七日戦争と第2次マナッサスの戦いに勝利した南軍は、ワシントンDCと他の北部州とのラインを切断するためメリーランド州へ侵攻しました。ハーパーズ・フェリーを陥落し、部隊をシャープスバーグへ集めた南軍は、ポトマック川とアンティータム川に囲まれた町でマクレラン将軍率いる北軍を待ち受けます。北米大陸で戦われた、一日の戦闘としては最も多くの死傷者を出した戦いを作戦レベルで再現しています。戦術的には敗北はしなかったものの、南軍は戦略的、政治的に敗退し、戦争の帰趨を決めた戦いだったと言えます。「少数だが機動力のある南軍」と「数に勝るが統制の取りにくい北軍」の非対称的な軍隊の戦いがゲームで再現されています。
『セメタリー・ヒル』 …… 「セメタリー・ヒル」は、ゲティスバーグにおけるポトマック軍と北ヴァージニア軍との戦闘を作戦レベルで再現したゲームです。1863年7月1日から4日までの、所謂「ゲティスバーグの戦い」と呼ばれるアメリカ史上最も激しい戦いを扱っています。ゲームスタート時には盤面戦力で勝る南軍ですが、北軍には続々と援軍が現れるため、初期の主導権をどう持続させるかがプレイヤーの腕の見せ所です。
『チカマウガ』 …… 1863年9月、北軍のカンバーランド軍と、南軍のテネシー軍との間で戦われた戦闘を作戦レベルで再現しています。ゲティスバーグとビックスバーグで勝利した北軍は、南軍をテネシー川の南岸へと押しやることに成功しました。そして交通の要衝である鉄道、金融、工業などの中心地、チャタヌーガをも陥落させます。後方への連絡戦を脅かされることになった南軍は、その南東、北ジョージアのテネシー川支流、チカマウガ・クリーク周辺にて、北軍に反撃を挑みました。外線を握る南軍と、内戦を確保する北軍が、機動力で主導権を奪い合う好ゲームです。
■コンポーネント
◇『ブルー&グレー』マップ A2(変形)/4枚
◇カウンターシート/200個(12.5mm) 2枚(うち『ブルー&グレー』約380個)
◇ルールブック/『ブルー&グレー』5冊(各4ページ。基本ルール1種+個別ルール4種)
◇『1918』マップ訂正シール
◇『ヒトラー電撃戦』正誤表
《歴史・ゲーム関連記事も充実》
特集記事では、四つのゲームそれぞれについての軍事的課題を明らかにし、ベーシックゲームたり得る『ブルー&グレー』のゲーム的特徴について言及しています。
また、四つの戦いが、南北戦争のキャンペーンシリーズゲームGCACWでどのような位置づけになるのかを歴史概況とともに解説。
その他、ベーシックゲームが持つべき軍事的課題を内包したハーフマップ以下のゲームをピックアップし、決戦思想・戦略・心理的電撃戦という切り口からウォー・シミュレーションゲームの面白さの本質に迫ります。
■特集:『ブルー&グレー』と共通言語を持ったベーシックゲーム
●シミュレーションゲーム批判序説:ベーシックルールシステムとしての『ブルー&グレー』
●ゲーム解説:「シャイロー」「アンティータム」「セメタリー・ヒル」「チカマウガ」
●GCACWシリーズが描く『ブルー&グレー』の四つの戦い
■ゲーム関連情報
●『ワーテルロー20』
●『ドライブ・オン・メッツ』
●『スモレンスク攻防戦』
好評連載
●ASLプレイ研究「Last Ditch for ASL」(鈴木拓也)
新連載
●『ヒトラー電撃戦』研究記事「電撃戦指南」(F男)
●「本からゲーム ゲームから本へ」(桂令夫)
連載&不定期連載
●日本の戦歴(最終回)
●地中海戦史
●東方に戦風は吹く
●復活!男泣き戦争映画塾
他、好評連載など
〜訂正&お詫び〜
●83号の記事「電撃戦指南」のコラムその2「国力の目安」(P39)で、国・戦争段階ごとの生産力を表した表の数値が間違っていました。正しくは、
独限定:28 独総力:36
連合限定:16 連合総力:40
ソ連限定:20 ソ連総力:32
となります。
●83号の記事「ゲームレポート:コミックマーケット74」(P75)で、「日獨戦争」の制作者名が間違っていました。
正しくは、司 史生 様です。