永遠に自由を!
黒人奴隷労働により支えられていた農業中心の南部と、工業化が続き流動的な労働力を必要とする北部との対立は激しさを増し、南部と北部の政治、社会、経済的な相違が広がっていった。
そんな中、1860年11月の大統領選挙では奴隷制度が争点のひとつになり、奴隷制の拡大に反対したエイブラハム・リンカーンが当選したことをきっかけに、同年サウスカロライナ州が合衆国からの離脱を宣言。その後1861年2月にはアメリカ連合国が結成された。
1861年3月にリンカーンが正式に大統領に就任すると、同年4月12日にアメリカ連合国はサムター砦を攻撃。ここに南北戦争の戦端は切って落とされた……。
【付録ゲーム】
『戦略級 南北戦争 The American Civil War』
(ゲームデザイン:クリス・ペレーロ)
『戦略級 南北戦争』は、Strategy & Tactics 310号に掲載されたゲームで、元々はジェームズ・ダニガン氏が1974年に同誌43号で発表した作品を元にリデザインされました。
南北戦争の開戦時から終戦時まで全体をプレイできる作品でありながら、雑誌付録に最適なサイズとしてコンパクトにまとめられた良作です。
経済的に優位な北軍陣営は、南軍の経済を破綻させることで勝利を目指し、対する南軍陣営は、北軍への攻勢を強めながら南部経済を安定化させ独立を目指します。
ゲームの焦点となるのは、戦闘部隊の生産や配置など経済的なリソース運用と管理だけでなく、盤上での勝利が政治的情勢を大きく左右します。
また、Strategy & Tactics 310号のヒストリカルノートが翻訳記事として掲載されています。
ゲームスケール
-
1ヘクス=20マイル(約32km)
-
1ユニット=地上部隊1戦力=5000名、海上部隊1戦力=10隻
-
プレイヤー数=2人
-
プレイ時間=4時間程度
内容物(雑誌除く、全付録分)
-
駒308個 (12.5mm角)
-
マップ1枚 (A1判)
-
チャート1枚(A4判)
-
ルールブック1冊(20頁)
CONTENTS
本誌 80ページ(フルカラー)
■特集
- ●南北戦争(翻訳:桂令夫)
- ●リプレイ 『永遠に自由』(山内克介)
- ●ユニットよもやま物語(生駒望人)
- ●復活! 男泣き戦争映画塾(山内克介)
- ●京都要塞1333(樋口隆晴)
■NEXT ISSUE
- ●次号予告 三国志:官渡戦役
■READ & PLAY
- ●Simple is True:新世代の南北戦争・戦略級ゲームたち(山内克介)
- ●ニミッツを越えて征け(千波躍人)
- ●HITLER'S REICH(諸岡幸治)
- ●TANKS+α シナリオ(小泉慎吾)
■WAR HISTORIES
■COLUMNS
- ●ゲームから本へ、本からゲームへ(桂令夫)
- ●野獣げぇまぁ拡大版(徳岡正肇)
- ●あなたの知らない(かもしれない)戦争マンガの世界(生江秀一)
■NEW COMERS
FAQ
- ■本誌P.20
【Q&A】 -
Q. 「テキサスやミズーリの1戦力も、ニューオリンズとミシシッピ屈曲部のニューマドリード目指して長躯移動させる」という記述がある。これは、初期セットアップ時のスプリングフィールドの1戦力と思われますが、移動前の補給判定によってOOSとなり、移動力半減の6でニューマドリードに到達できない。ここがOOSにならないのであれば、その判断に至るルールは何なのか?
→ 補給ルールを誤解してプレイしていました。間違いは、14.1の「生産圏の接続には道路を利用できる」ことから、補給線にも道路が利用できると早合点し、マップのスプリングフィールド・ヘクスに印刷されている灰色の補給センターへ、アーカンソー州のファイエットビルから道路沿いに長さ無制限で地上補給線が辿れて15.6にある「ミズーリ州の南軍支配下補給センターは南軍の補給経由センターとして使用できます」に基づいたものです。
- ■7.3 鉄道のキャパシティ
【Q&A】 - Q. 北軍は毎インパルス、新たに鉄道マーカー全てを使用できるのか。南軍は毎インパルス、新たに5鉄道ポイントを使用できるか。
→ はい、毎インパルスに全て使用できます。南軍も毎インパルス5鉄道ポイントを使用できます。
- ■8.4.2 兵站基地
【Q&A】 - Q. 補給下にある兵站基地を経由して補給線を延ばした場合、与えることができる補給は1基地につき3戦力までか、それとも上限なく単に補給線の距離が延びるだけか。
→ 経由するだけでは上限なく単に補給線の距離が延びるだけです。兵站基地を消費する場合に1基地につき3戦力まで補給を与えることが出来ます。
- ■11.8 攻城戦
【Q&A】 - Q. 攻囲側戦力数が砦側戦力数+1あれば、砦内の戦力は救援部隊の戦力と合算できないという解釈で良いか。
→ はい。あくまで防御時にのみ使用できる限定的な追加戦力となります。
- ■11.8 攻城戦
【Q&A】 - Q. 攻囲側の戦力数にかかわらず主ZOCを及ぼしていれば、砦内の敵戦力に地上補給線は通らないという解釈で良いか。
→ はい。塹壕と同様、砦に立て篭もった戦力はZOCを失うので、攻囲側として砦の上に馬乗りになっている戦力が展張する主ZOCによって、立て篭もる砦には地上補給線が辿り付けません。
- ■11.8 攻城戦
【Q&A】 - Q. 野戦部隊のいない敵砦ヘクスにいる攻撃側戦力に、地上補給線は通るか。ルール上、敵砦ヘクスサイドに補給線は通らないとあるが、現実的には攻囲している側は補給線が通るのが自然と思われる。
→ 8.1でいう砦ヘクスサイドを通る補給線とは、水路補給線を指します。従いまして地上補給線は通ります。
- ■13.6 水上戦闘
【Q&A】 - Q. 損傷した河川艦隊、装甲艦は港湾で修理できるか。河川沿いに港湾がなく都市しかない場合は修理できるか。
→ できます。修理に関しては都市も港湾と同様に扱います。
お詫び
表紙に一部誤りがありました。
短期連載タイトルの「新しい第一時世界大戦像」ですが、正しくは「新しい第一次世界大戦像」となります。