5日間の死闘
第二次世界大戦勃発から3カ月後の11月、寒さが一層強くなりはじめるこの時期にフィンランドは赤い津波に襲われた──ソ連軍が侵攻してきたのだ。
1939年8月に独ソ間で結ばれた不可侵条約に基づき、ソ連はバルト三国とフィンランドへの圧力を強めはじめた。ソ連の一方的な要求に対してフィンランドは粘り強く交渉を続けたが、最終的には決裂。結果、ソ連は虚偽の発砲事件を口実にフィンランドに攻め込んだ。
ソ連軍の奇襲攻撃であったが、最悪の事態を想定していたフィンランド軍元帥・マンネルヘイムはいち早く兵を招集。優れた火器を持ち、3倍以上の戦力を誇るソ連軍に対し、果敢に立ち向かった。冬を迎えようとしていた北極圏は、ソ連・フィンランド両者の砲火によって熱を帯び始めていた。
【付録ゲーム】
『冬戦争 RED WINTER』
The Soviet Attack at Tolvajärvi, Finland 8-12 December 1939
(ゲームデザイン:マーク・モクズキィ)
『冬戦争』は1939年12月に発生した、フィンランドのトルヴァヤルヴィ周辺におけるフィンランド・スキー部隊と侵略者であるソ連の間で繰り広げられた、5日間にわたる重大な戦いを1ヘクス約380mという小さいスケールで再現した対戦型ゲームです。プレイヤーはソ連またはフィンランド部隊の指揮官としての役割を担い勝利を目指します。ゲームは2人用としてデザインされていますが、ルールを学びさまざまな歴史的可能性を探求するために、1人でプレイすることもできます。
トルヴァヤルヴィの戦いでは、双方に攻撃と防御の機会が与えられるという、ゲームのテーマとしても興味深い状況が発生しました。前線は流動的であり、機動力が打撃力と同様に重要でした。ゲームが膠着状態に陥ることはほとんどありません。ソ連プレーヤーは装甲ユニットの投入のタイミングに苦心し、またフィンランドプレーヤーはソ連の猛攻をしのいだ場合、士気向上効果を得て反撃に転じることになるので、ダイナミックな展開になります。
ゲームスケール
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1ヘクス=約380m
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1ユニット=小隊/中隊/大隊
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プレイヤー数=2人
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プレイ時間=30分〜720分(シナリオによる)
内容物(雑誌除く、全付録分)
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駒216個 (15mm角)
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マップ1枚 (変形A1判)
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チャート3枚 (A4判3枚)
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ルールブック1冊(28頁)
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●シナリオブック1冊(24頁)
ゲーム情報
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ルール難度:普通
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ソリテア性:非常に高い
CONTENTS
本誌76ページ(フルカラー)
■特集
- ●リプレイとシステム解説: 銀盤に光が差すとき(野上靖)
- ●歴史記事: 熊を仕留めた狩人(大木毅)
- ●ASL進化論(岩永秀明)
- ●『Down in Flames』のフィンランド航空戦(三好秀一)
- ●やりすぎポーラーベア(山内克介)
■NEXT ISSUE
- 次号予告 TRIUMPHANT RETURN
■READ & PLAY
- ●偏見に縛られることなかれ(岩永秀明)
- ●The IMPERIUM strikes back!!(倉元栄一)
- ●FRONT TOWARD ENEMY(諸岡幸治)
■SCENARIO
■WAR HISTORIES
■COLUMNS
- ●復活! 男泣き戦争映画塾(山内克介)
- ●ユニットよもやま物語(生駒望人)
- ●ゲームから本へ、本からゲームへ(桂令夫)
- ●野獣げぇまぁ拡大版(徳岡正肇)
- ●あなたの知らない(かもしれない)戦争マンガの世界(生江秀一)
- ●新兵★通信
■NEW COMERS