1932年に起こった「第一次上海事変」後、日増しに勢力を増大させ圧力をかける日本に対して、中国国民政府は密かに日本への抗戦を目的とした防御陣地の構築を上海各要衝で進めていた。1936年には兵力を増強すべく保安隊を編成し上海近辺に展開、頻繁に航空偵察も実施するようになる。中国国民政府にとって脅威とも呼べる日本に対して奇襲を以て先制攻撃を行い中国国内より排除する計画が進行していた。一触即発の状況の中、運命の日1937年8月13日が訪れる。中国側が橋梁を爆破の後砲撃を開始。それに応戦する形で戦闘は開始される。第二次上海事変の勃発である。この戦いをきっかけに、日本は中国との泥沼の戦いへと進むことになる。
【付録:シミュレーションゲーム(ウォーゲーム)】
『上海事変1937 Shanghai-Nanking Campaign 1937』
(ゲームデザイン:クリストファー・カミンズ & タイ・ボンバ)
『上海事変1937』は1937年に勃発した第二次上海事変からその後に続く南京戦までをキャンペーンとして扱った対戦型のシミュレーションウォーゲームです。オリジナルはDecision Games社のStrategy & tactics#329に掲載された作品で、今回はその完全日本語版となります。
史実における日本軍の戦果は、あらゆる作戦的な勝利は達成したものの、戦争に勝利するほど決定的でも迅速でもありませんでした。本作で日本軍を担当するプレイヤーは史実以上の戦果を上げる必要がでてくるでしょう。対するに中国国民党を担当するプレイヤーは寡兵で守りに徹することになりますが、反撃によって活路を見出すことになるでしょう。
ゲームの前半は上海市街周辺の戦闘が中心になり、後半へ向けての打開策と展開を想定しながら、ミス無く戦闘地域をリカバーすることが重要になります。
シンプルでありながら狭い範囲にも広い範囲にも目を行き届かせる戦略眼を要求される好ゲームです。
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ゲームスケール
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地図上の距離(1ヘクス)=11km
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1ユニット=師団、旅団、連隊、大隊
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プレイヤー数=2人
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プレイ時間=360分程度
内容物(雑誌除く、全付録分)
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駒216個1枚(15mm角)
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マップ1枚 (A1判1枚)
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ルールブック1冊(12頁)
ゲーム情報
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ソリティア性:高い
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ルールの難易度:低い
CONTENTS
本誌76ページ(フルカラー)
■特集
- ●勝利は敗北の始まり(堀場亙)
- ●戦史無駄ばなし
上海に罠を仕掛けた男──フォン・ファルケンハウゼン小伝(大木毅) - ●上海の場合、、、。
- ●復活! 男泣き戦争映画塾(山内克介)
- ●ユニットよもやま物語(生駒望人)
- ●ゲームから本へ、本からゲームへ(桂令夫)
- ●上海・南京ゲーム総覧(堀場亙)
- ●ASLの中華事変(岩永秀明)
■NEXT ISSUE
- 次号予告 ギリシャ内戦
■READ & PLAY
- ●武士好きはキャンペーンがお好き?(じんぼただとし)
- ●究極のバルジ(山内克助)
- ●Conquest & Consequence (諸岡幸治)
- ●東部戦線、バルカン半島と出会う。 (倉元栄一)
■SCENARIO
■WAR HISTORIES
■COLUMNS
- ●第一次世界大戦航空機列伝 AGE of DOGFIGHT(宮永忠将)
- ●新シミュレーションゲーム批判序説(高梨俊一)
- ●ウォーゲーム・メカニクス(堀場亙)
- ●あなたの知らない(かもしれない)戦争マンガの世界(生江秀一)
- ●ガチャを回すな! ゲームを買え!(諸岡幸治)
- ●野獣げぇまぁ拡大版(徳岡正肇)
- ●新兵★通信
■NEW COMERS