第二次世界大戦の終結と共にアメリカ・イギリスを中心とする西側諸国とソビエトを中心とする東側諸国との関係は悪化の一途をたどる――いわゆる「冷戦」の始まりであった。
両陣営ともに敵対陣営の出方を見ながら静かにかつ着実に互いの軍事力を強化し、相手陣営からの攻撃から身を守る術を模索した。そして、隙あらば敵陣営の領土へ侵攻することも辞さない覚悟も持っていたのだ。
ドイツの南部に位置する町ヴュルツブルクはチェコスロヴァキアに近く交通の要衝でもある重要拠点であった。ゆえに常に仮想される第三次世界大戦が発生する地域としてしばしば注目される場所でもあった。
【付録ゲーム】
ヴュルツブルク Wurzburg
(ゲームデザイン:ジェームズ・F・ダニガン)
『ヴュルツブルク』は1970年代にアメリカを中心とする西側諸国陣営とソビエトを中心とする東側陣営が激突したら? という第三次世界大戦のきっかけとなる仮想設定をテーマにした作品です。本作は 1975 年に SPI 社から発売された『Modern Battles』に収録されていた作品のひとつで、現代戦 を扱うゲームが 4in1(クワドリ)で入っていた作品 でした。
ドイツ南部のヴュルツブルク近辺の地形を再現したマップで両陣営の部隊を大きく展開させ雌雄を決するゲームで、100個に満たないユニット数ながら作戦級ゲームの良さを十二分に味わうことができます。シナリオは4つ準備されており、様々なシチュエーションにおいてヴュルツブルク周辺で発生するだろう状況を再現できるようになっています。システムはマスト・アタックをベースにしたオーソドックスなシステムで、ウォーゲーム中級者からベテランでも楽しめ、新たな発見を見出すことができる古典的な作品と言えるでしょう。
付録ゲームに合わせて本誌でも現代戦テーマのゲームの紹介や冷戦下の状況をテーマにした『F-16』のシナリオも準備されています。
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ゲームスケール
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地図上の距離=1.6km
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1ユニット=大隊、連隊、旅団
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プレイヤー数=2人
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プレイ時間=180分程度(シナリオによる)
内容物(雑誌除く、付録分)
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駒116個1枚(15mm角)
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マップ1枚 (A1判1枚)
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チャート類(A4判2枚、B6判2枚)
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ルールブック1冊
ゲーム情報
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ソリティア性:普通
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ルールの難易度:普通
CONTENTS
本誌68ページ(フルカラー)
■特集
- ●冷たい戦争に吹き荒れる熱風(宮永忠将)
- ●冷戦下のシミュレーション(じんぼただとし)
- ●もうひとつのWURZBURG(倉元栄一)
- ●バレンツ海からペルシャ湾まで(山内克介)
- ●ウクライナ戦争が解像度を上げた プーチンの戦争の一解 (宮永忠将)
- ●復活! 男泣き戦争映画塾(山内克介)
- ●ユニットよもやま物語(生駒望人)
- ●ゲームから本へ、本からゲームへ(桂令夫)
■NEXT ISSUE
- ●次号予告 碧蹄館の戦い(デザイナー:吉川龍虎)
■READ & PLAY
- ●GENERAL ORDERS (諸岡幸治)
■SCENARIO
■WAR HISTORIES
■COLUMNS
- ●新シミュレーションゲーム批判序説(高梨俊一)
- ●Age of Dogfight 空戦ゲームを楽しく遊ぶための方法(じんぼただとし)
- ●ウォーゲーム・メカニクス(堀場亙)
- ●あなたの知らない(かもしれない)戦争マンガの世界(生江秀一)
- ●ガチャを回すな! ゲームを買え!(徳岡正肇)
- ●野獣げぇまぁ拡大版(徳岡正肇)
- ●NEW COMMER PICK UP !