Battle of MUKDEN 『奉天大決戦』

【1.0】 はじめに

 

日露戦争陸上の戦いの天王山、奉天会戦をテーマにした2人用ゲームです。1人は日本軍、もう1人はロシア軍を受け持ちます。

【2.0】 ゲームの備品

 

ハガキ裏面(マップ側)左側、兵隊のイラストが描かれているものは駒です。実線に沿って切り離して点線で山折りにして、底面を貼り合わせて完成させてください。各軍に5個ずつあります。

 

この他に、6面体ダイス2個と筆記用具をご用意ください。

【3.0】 ゲームの準備

 

誰がどの軍を受け持つかを決め、地図上の部隊名(「第1軍」など)が印刷されたマス(ヘクスと呼びます)に駒を置きます。日本軍の第三軍だけは地図外に保管しておきます。

 

両軍プレイヤーはメモ用紙に各駒の戦力を記録します。日本軍は合計27戦力を第1〜4軍と鴨緑江軍に、ロシア軍は合計20戦力を第1〜3軍と総予備隊左翼、右翼に密かに配分します。各駒には最低3戦力を配分しなければなりません。このメモは、ゲームが終わるまで敵軍プレイヤーから伏しておきます。

【4.0】 勝利条件

 

ゲームは、一定時間が経過するか(7.0章参照)、ロシア軍プレイヤーが「撤収(9.0章参照)」を宣言すると終了します。前者の場合、奉天及びそれより北の鉄道上の日本軍の駒がいれば日本軍の勝利、それ以外はロシア軍の勝利です。後者の場合、撤収したロシア軍駒の戦力合計の2倍が、生き残っている日本軍駒の戦力合計を上回っていればロシア軍の勝利、それ以外は日本軍の勝利です。

 

またロシア軍駒が日本軍の補給源()ヘクスに進入すると、その時点でロシア軍の勝利でゲームが終了します。

【5.0】 ゲームの手順

 

日本軍、ロシア軍の順番で次の手順を行います。

 

  1. 自軍の駒を1個選んで移動させる。

  2. その駒で攻撃を行う。

【6.0】 移動

 

敵軍駒と隣接している自軍駒を選んでも移動することができません(攻撃は可能です)。

 

移動中、他の駒と同じヘクスに進入することはできません。敵軍駒に隣接するマスに進入したら、そこで移動を終了します。

 

山のアイコンを持つヘクス(山ヘクス)に進入した駒はその場で停止します。また山ヘクスで移動を開始する駒は1ヘクスしか移動できません。河川を越えた駒は、そこで移動を停止します。

 

上記の制約がなければ、全ての駒は1〜2ヘクス移動できます。

【7.0】 戦闘

 

プレイヤーは自分の手番で選んだ駒1個を用いて、隣接する敵軍駒1個を攻撃します。攻撃は強制です。ただし要塞の内側にいるロシア軍駒は、要塞線越しに隣接する日本軍を攻撃する義務はありません。また奉天にいるロシア軍駒も攻撃する義務はありません。

 

注意:敵軍駒に隣接している自分の駒でも、その手番で選んだものでなければ、攻撃義務は発生しません。

 

戦闘は次の手順で解決します。

 

  1. 攻撃側(手番を行っている側)は戦力を発表します。

  2. 防御側(非手番側)は戦力を発表します。

  3. 戦力差を比較します。

  4. 両者はダイスを振り、戦闘結果を判定します。

 

両軍とも、自軍の駒の戦力を実際より低く発表して構いません。しかし、最低でも「1」はコールしなければなりません。

 

要塞越しに攻撃する日本軍、及び奉天を攻撃する日本軍は、コールした戦力が半分になります(端数切り上げ)。河川越しに攻撃する両軍の駒はコールした戦力が1減ります。山ヘクスを攻撃する両軍の駒はコールした戦力が1減ります。この修正は全て適用されます。なお、要塞越し/奉天の修正は最後に計算します。

 

攻撃側戦力から防御側戦力を引きます。プラスなら攻撃側、マイナスなら防御側が振るダイスの目にその差を加算します。しかし、どれだけ戦力差があっても修正されるダイスの目は2までです。

 

両軍プレイヤーはダイスを振り、出た目に修正を加えて両者の差を確認します。

 

  0〜±1…… 両軍とも1戦力ずつ失います。
  ±2……… 少ない側は1戦力を失います。
  ±3以上…… 少ない側は2戦力を失います。

 

戦力の減少を記録します。最初に割り振った戦力が「0」になった駒はマップから取り除かれます。

 

攻撃側、防御側の順に1ヘクスの退却を選択できます。攻撃側が退却した時は防御側は退却できませんが、防御側の損害は0になります。退却することで損害を1減らせます。敵軍駒に隣接しないヘクスへ移動させます。退却できるヘクスがない時は退却を選択できません。また損害を受けなかった側は退却を選択できません。防御側駒が全滅するか退却すれば、攻撃側駒を防御側駒がいたヘクスに前進させることができます。

 

時間経過:攻撃側または防御側が振ったダイスの目が「6」だった時、時間が1経過します。両者とも「6」の目が出たら2経過します。時間が10経過したところでゲームは終了します。経過した時間をメモしてください。

【8.0】 第三軍の迂回機動

 

日本軍プレイヤーが第三軍を選んだ時、ヘクスAに置くかマップ外待機の継続かを選択します。ヘクスAに置いた時、それ以上の移動はできませんが攻撃は可能です。マップ外待機を選択し、次に第三軍が選ばれた時はヘクスAかBに置く、またはマップ外待機を選択できます。さらにマップ外待機を選択し、次に第三軍が選ばれた時は、ヘクスAかBかCに置きます。

【9.0】 ロシア軍の撤収

 

ロシア軍のみ、マップ北端の3ヘクスから自分の駒を盤外へ移動させることができます。退却によって盤外へ出ることも可能です。盤外に出た駒が盤内に戻ってくることはできません。十分な駒を盤外へ脱出させたと思ったら、ロシア軍プレイヤーは「撤収」を宣言し、ゲームを終了させることができます(4.0章参照)。