■シミュレーションゲーム専門誌■【Command Magazine(コマンドマガジン) [シミュレーションゲーム・ミリタリーヒストリー・ストラテジー・アナリシス]】Command Magazine(コマンドマガジン)

■シミュレーションゲーム専門誌■【Command Magazine(コマンドマガジン) 】「コマンドマガジン第34号」コマンドマガジン第34号

 

発売日:2000年8月20日

価 格:3,780円

 

■コマンドマガジンWEBサイト─在庫なし

◆付録ゲーム

 

■Drive to the Baltic!(ディルク・ブレネマン&ペリー・ムーア/Moments in History)

■グルンヴァルト1410(テッド・レイサー)

■掲載記事

 

ナルヴァの戦い、1944年/騎士団総長、王手/教えてやる、騎士十字章の獲り方をな/夏休み最後の宿題『グルンヴァルト1410』/『ロシアン・キャンペーン2』ヴァリアント/新作ゲーム情報(オリジンズで発表された新作ゲーム)/『死闘!北方軍集団』製作ノート 他

■エラッタ/Q&A

「戦闘修正一覧表」の「小川」の欄。戦術値は「修正なし」、さいの目修正は「DRM-2/-1」が正解です(ルール、及び地形影響表が正しい)。

Q:11.3 戦略移動 ルールブックによると「戦略移動を行なったユニットは同一ターン中に攻撃を行なうことはできない」とありますが、この通りなんでしょうか? だとすると第1戦闘フェイズで戦略移動をおこなったユニットは第2・第3戦闘フェイズでは攻撃できないってことですよね。そのわりには戦略移動マーカーが足りないと思うのですが……。

 

A:正しくは「戦略移動を行なったユニットは同一セグメント中に攻撃を行なうことはできない」です。例えば、あるセグメントをソ連軍が移動→戦闘の順番で実行した場合、独軍突撃砲旅団(ZOC無し)に隣接したヘクスへ、戦略移動で戦車軍団を移動させることは可能ですが、続く戦闘フェイズに、その突撃砲旅団を攻撃することはできないということです。この部分はコンシム・ワールド内のDrive to the Baltic!専用会議室で、デザイナーが補足説明した部分だったのです。ですから日本語ルール化にあたって追記した部分であり、全面的に私の責任です。誠に申し訳ございません……。もし間違ってプレイされていた方がおられましたら、伏してお詫び申し上げます(戦略移動を行なった残りのターン中、攻撃できないとしたらゲームバランスを著しく傾けてしまいます)。

Q:ルールの中で、スタック移動がありますが、ポイントを1しか使わないスタック移動を指定したとき、スタックしたユニットは、はじめからまったく違う方向に移動しても良いのでしょうか?だめですよね。

 

A:いえ、全く問題ありません。ルール[11.0]の下から6行目に『同じヘクスから移動を開始したならば、スタックで移動を開始しても(スタックの移動のために1移動ポイントしか使用していなくても)、スタック内の各ユニットは別々のヘクスで移動を終了することができる』という規定が適用されます。ですから、最小の移動ポイントで最大の効率を生むのは、フルスタックを指定して1移動ポイントを支払い、そのスタックをバラして、各地へ個々のユニットを派遣することだと思います。 言い換えるなら、1移動ポイントを支払って、1スタックを活性化させるといったところでしょうか。活性化させてしまえば、そのスタック内の個々のユニットがどこへ移動しようが自由というわけです。

Q:戦略移動可能なユニットの数ですが、ターン記録表には、1、2、8ターンのみに戦略移動可能な数が書いてありますが、ルール中の11.3※の記載はちょっと違います。ルールが正しいのでしょうか?

 

A:これは単純にターン記録表上のスペースの問題だと思います(ちなみに原版と日本版とのターン記録表は、日本語である点を除いて全く同じフォームです)。各ターンのボックス内に両軍の戦略移動可能数を記載できればベストだったのですが……。ですから、ターン記録表上の1、2、8ターンのところに戦略移動数が記載されているのは、そのターンに何らかの数的変化が行なわれるということを表しています。正確には、ルール文中で述べられているのが正しいことになります。

Q:戦略移動には、移動力も移動ポイントも使用しないのでよいのでしょうか?(ルール11.3の後半)

 

A:確かに、この『自軍支配下のヘクスを辿って、任意の自軍支配下ヘクスに移動することができる』というルールの記述だと、『自軍支配下のヘクスを辿ることさえできれば、移動距離無限で移動させられる』という事が分かりにくいですね。ですから戦略移動には、移動力も移動ポイントも使用しないで済みます。言い換えるなら、戦略移動には移動力や移動ポイントを必要とせず、通常の移動に追加して移動させられます。例えば第2ターン第3セグメントのドイツ軍が移動ポイントを5スタック分得たとしたら、5スタックの通常移動に加えて、その他に2ユニットを戦略移動で動かすことができるということです。

Q:「戦場の霧」ルールの訳注に、疑問があります。敵スタックに、ZOC有りのユニットが含まれているかを相手に一々確認するのは、ゲームの進行の妨げになるからZOC有りのユニットは一番上に置かなければならない、とのことですよね。これは違うのではないでしょうか。そもそも「戦場の霧」ルールを採用するにおいて、相手のスタックにZOC有りのユニットが含まれているかどうかを訊ねること自体がおかしいと思います。この場合、「接敵するまでわからない」と解釈した方が自然だと思うのですがいかかでしょうか?

 

A:確かにこれは、過度の煩雑さを嫌って独自に訳註を入れたものです。師団規模のゲームで、しかも移動ポイントが極度に不足するD.t.t.Baltic!では、作戦/戦術級のように敵スタックがZOCを持っているかどうか疑心暗鬼になって移動させるより、作戦にのみ没頭できるよう、ZOCに関してはオープンでいいのではないかと考えます。もちろんルール原文には、スタック内にZOCのあるなしを確認するしないという記述はありませんが、この点はプレイ前に両者間でどちらにするか合意しておくべきだと思います。私的には、たたでさえ熟考を求められる本作で、スタックにZOCが存在するのかどうかまで考えさせられるようでは辟易してしまいます。

Q:13.0 ランダムイベント 訳注にあるように同一戦闘フェイズ中にあるユニットが複数回攻撃ないし移動を行なってもよいのでしょうか?本文の方では「戦闘ポイントや移動ポイントの消費が必要ない点を除けば、その他の全ての通常ルールは適用される」とあります。この文章をそのまま解釈すれば複数回攻撃(移動)は出来ないと思うのですが?それとも戦闘フェイズ中の小さなフェイズということで、別フェイズと考えるのでしょうか?

 

A:『戦闘フェイズ中の小さなフェイズということで、別フェイズと考える』という解釈で間違いないと思います。ですから例えば、Aというユニットが攻撃を解決した際、6ゾロを出してその敵を殲滅。戦闘後前進の後、ランダムイベントを振り、その結果が友軍の1ユニットを直ちに移動させられるとあれば、そのままAを移動させて別の敵に隣接。他の攻撃でさらにランダムイベントが発生し、今度は友軍の追加攻撃が許されるなら、既に攻撃を行なったAに2度目の攻撃を行なわせる事が可能です。これは攻撃、再攻撃、3度目の攻撃(移動も同様)という結果でも同様です。

Q:独軍第1ターンの戦略移動は、ターン毎に1ではなく、セグメント毎に1なのですか?

 

A:はい、セグメント毎の定数で間違いありません。例えば第2ターンの独軍は、合計で6ユニット戦略移動可能です(もちろん各セグメント毎に2ユニットずつ)。

Q:敵が2ヘクス後退または除去された時、機械化部隊は戦闘後前進で2ヘクス進めるわけですが、2ヘクス目が大河川越しの場合、それは可能ですか?

 

A:ルール12.82には、橋の無い大河川越しの戦闘後前進は1ヘクスだけという記述はありますが、2ヘクス目に関しては記述がありません。しかし前後の文脈から考えて、2ヘクス目が橋の掛かっていない大河川越しの場合は、2ヘクス目の戦闘後前進は無理と判断すべきかと思います。もちろん橋が架かっていれば可能でしょう。

Q:ルールブック6ページ、6.0支配地域の項について。『移動フェイズの開始時に敵ZOC下へクスに存在しているユニットは、移動の開始時に敵ZOCへクスから敵ZOCへクス下ではない他のへクスに離脱することができる』とありますが、この場合の「離脱」とはどのような意味なのでしょうか?敵ZOCを離脱した後移動を終了しなければならないのか、離脱後に敵ZOCへ侵入さえしなければユニットの移動力分だけ好きに動かせるのか、ZOC to ZOCでなければ非敵ZOC下へ離脱後に再度敵ZOCへ侵入できるのか等プレイ中に色々な意見が出ました。

 

A:『ZOC to ZOCでなければ非敵ZOC下へ離脱後に、再度敵ZOCへ侵入できる』という解釈で間違いありません。ルールの記述は、単純に「ZOC to ZOC禁止」と書けば済むところを、分かり難く書いてしまっているのです。ですから、移動開始時に敵ZOCにいた部隊は、敵ZOC外へ一旦出てから移動する限り全移動力を消費できますし、当然、改めて敵のZOCへ侵入することもできます。

Q:シナリオにあります「ドイツ軍の増援」条件付き増援(第3SS装甲軍団)の登場条件の一つ、『ヘクス2701〜4201のヘクス列から3ヘクス以内に進入した場合』というのは、始点となるヘクスを含んで3ヘクスでしょうか?それとも含まずに3ヘクス先までなのでしょうか?

 

A:『始点となるヘクスを含まずに3ヘクス先まで』が正解だと考えられます。この点に関しましては、英語版原文にも正確な記述がありませんし、コンシム・ワールド内のDrive to the Baltic!会議室でも話題になっていません。上記の回答の根拠は、ヘクス2701を含んで3ヘクスだとすると、東リガ市まで海岸線を辿って行く場合、ヘクス2503、2604がゲーム的な秘孔となり、そこへソ連軍が進出すれば第3SS装甲軍団の登場条件に引っ掛かることなく、ドイツ北方軍集団の補給線を遮断することができてしまうからです。これがヘクス2701を含まずに、ヘクス2702から3ヘクスという形で数えると、ちょうど東リガ市の隣接ヘクスと合致し、北方軍集団の補給線を断つ為には、必ず第3SS装甲軍団の到来を招かざるを得ないという結果になります。また、もう一つの根拠は、このゲームにおける増援の登場方法です。このDrive to the Baltic!では、両軍の増援は移動力を支払って進入という形ではなく、シナリオで許された登場可能ヘクス(ターンの開始時に両軍同時)に直接配置される形をとっているからです。この点も、指定されたヘクス自体はカウントに含めないという根拠になり得るのではないかと考えます。