第二次世界大戦後、多くの地域で共産勢力が立場を強める中、ギリシャ国内は右派による左派勢力への圧力が増し左派勢力も政府との対立姿勢を深めることとなる。1946年3月、元ギリシャ人民解放軍のマルコス・バフィアディスがユーゴスラビアからの指揮によってギリシャ国内へ侵入したギリシャ民主軍(Dimokratikos Stratos Elladas, DSE)がギリシャ国内で攻勢を開始。アメリカ大統領トルーマンの全面支援を受けるギリシャ政府軍との戦闘をより激化させることとなる。当初ゲリラ戦による抵抗を続けていたDSEだったが、作戦方針を転換し政府軍と全面的な戦闘に移行したため、ギリシャ国内は混沌をより深めることとなった……。
【付録:シミュレーションゲーム(ウォーゲーム)】
『ギリシャ内戦 The Greek Civil War 1947-49』
(ゲームデザイン:ブライアン・トレイン)
『ギリシャ内戦1947-49』は、ギリシャ政府とギリシャ共産党が支配する戦闘組織DSE(Dimokratikos Stratos Elladas=ギリシャ民主軍)が1947-49年の間に起こした戦闘を再現する2人用ゲームです。ゲーム中、DSEプレイヤーはギリシャ当局の力を削ぎ、その統治機構を自らのものに置き換えようとし、政府プレイヤーは文民警察とギリシャ政府軍や予備役によって市民社会への脅威を封じ込めようとします。
規模の異なる部隊同士が衝突する作品であるため、普段のウォーゲームで処理される戦闘とは異なる方法を本作は採用しています。デモや工作、威圧によって相手を制圧する戦闘(闘争)は「市民行動表」を、限定的な武力行使による抵抗を表す戦闘は「ゲリラ活動表」、実力を以て相手を排除する目的の戦闘は「武力衝突表」と3種類の戦闘結果表が準備されており、エリア内の状況やプレイヤーの選択でどの「戦闘方法」が適切かを各エリアごとに判断しなければなりません。結果は部隊の損害だけでなく、「政治ポイント」の増減に影響を与え、このポイントが「0」になることが陣営の敗北を意味します。
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ゲームスケール
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地図上の距離(マップ上の1cm)=約14km
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1ユニット=600人以下の戦闘部隊、大隊、旅団、師団
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プレイヤー数=2人
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プレイ時間=240分程度
内容物(雑誌除く、全付録分)
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駒160個、120個各1枚(15mm角)
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マップ1枚 (A1判1枚)
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ルールブック1冊(16頁)
ゲーム情報
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ソリティア性:普通
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ルールの難易度:普通
CONTENTS
本誌76ページ(フルカラー)
■特集
- ●歴史ノート:ギリシャ内戦 1943-49
- ●ギリシャ内戦 1947-49 デザイナーズノート(ブライアン・トレイン)
- ●8年前の“ウクライナの危機”(倉元栄一)
- ●EUROPE DIVIDED(石川豊)
- ●復活! 男泣き戦争映画塾(山内克介)
- ●ユニットよもやま物語(生駒望人)
- ●ゲームから本へ、本からゲームへ (桂令夫)
■NEXT ISSUE
- 次号予告 マレンゴの戦い
■READ & PLAY
- ●究極のバルバロッサ(山内克介)
- ●MacGowan & Lombardy's The Great War (諸岡幸治)
■SCENARIO
■WAR HISTORIES
「いって聞かせ」なかった山本五十六(大木 毅)
■COLUMNS
- ●第一次世界大戦航空機列伝 AGE of DOGFIGHT(宮永忠将)
- ●新シミュレーションゲーム批判序説(高梨俊一)
- ●ウォーゲーム・メカニクス(堀場亙)
- ●あなたの知らない(かもしれない)戦争マンガの世界(生江秀一)
- ●ガチャを回すな! ゲームを買え!(徳岡正肇)
- ●野獣げぇまぁ拡大版(徳岡正肇)
- ●新兵★通信
■NEW COMERS