本誌で扱っている「シミュレーション・ゲーム」の起源はプロイセンの参謀本部で行われた「机上演習」であり、それを「ゲーム」というスタイルにまとめたものです。紙製の地図と駒を使い、プレイヤーは司令官の立場で対戦相手と知的な戦いを繰り広げます。題材は歴史上有名な戦いもあれば、実際に起こらなかった戦いもあります。
1960年代にアメリカで生まれたこのホビーは、80年代に日本で大ブームとなりました。25年以上経った現在でも、熱心なユーザーによって楽しまれ続けている歴史のある、また大人が楽しめる趣味です。
『Command Magazine』の創刊は1989年で、もともとアメリカのXTR社が発行していましたが、現在は日本語版のみが国際通信社から発行されています。毎号、特集に合わせた海外製・国産の新作オリジナル、旧作再販のシミュレーション・ゲームが付録としてついています。またゲーム単体の発売もあり、合わせて100作以上のシミュレーション・ゲームを発売してきました。
ボードゲームや戦史に興味を持っている人にとって、ウォーゲームは難しいものではありません。戦史に興味があれば、その戦いのアウトラインを知っているでしょうし、ルールが何を再現しようとしているのか、一読するだけで理解できるでしょう。あまり戦史に詳しくなくても、雑誌にはその戦いの背景に関する記事が掲載されています。それを読むことで、より興味深くゲームをプレイできることでしょう。
シミュレーション・ゲーム、ウォー・ゲームの醍醐味は、何と言っても当時の司令官として、歴史に挑戦できるということです。史実では敗北した軍を率いて勝利に導いたり、あるいは歴史上の名将以上の勝利を収めたり、といったことをゲームを通じて体験できます。
「学生時代によく遊んでいた」という人も、再チャレンジしてください。対戦相手を探すのが難しい……という方は、ウォーゲーム専門のSNSに参加したり、共用掲示板の例会情報を検索したり、パソコンを使った通信対戦にチャレンジしてください。当時の興奮がオンサイトで、あるいはオンラインでよみがえることでしょう。
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