明治37(1904)年2月から約1年半にわたって戦われた日露戦争は、世界史上初の近代戦となりました。
この普仏戦争(1870~71)以来30年ぶりの本格的戦争は動員数、火力、消耗戦などあらゆる点で空前の規模となりました。一例をあげると、日露戦争の前に戦われた日清戦争においては、日本軍は3万4000発の砲弾しか消費しませんでした。ところが日露戦争においては、それと同等の砲弾を、たった1日の南山攻撃で消費し尽くしたのです。まさしくこれは第一次、第二次両大戦の先ぶれというべき戦争でした。このゲームは、その日露戦争をシミュレートしたものです。
原則的には2人のプレイヤーで争われ、1人が日本軍の、もう1人がロシア軍の総司令官の立場になってゲームを進めます。
個々の戦闘の結果はダイスによって決しますが、それよりも勝敗に大きな影響を与えるのは、各プレイヤーの戦略・戦術です。その能力が等しければ、決断力が勝敗を決めるに違いないでしょう。幸運の女神の微笑がどちらを向いているかは、その次の問題なのです。
あなたは、この国運を賭した戦いを勝利に導くことができるでしょうか。
『日露戦争』は1981年にエポック社「ワールドウォーゲーム」シリーズ第2作として出版されました。その後、2001年に「コマンド・マガジン日本版」 第40号の付録ゲームとして再版されました。
このJWC──ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス版では、オリジナルの内容を尊重するとともに、以下の変更を行っています。
また特別付録として、オール書き下ろし記事による『作戦研究ブックレット』を同梱しました。
第二版では冊子の文章と図版の一部修正を行っています。
ウォーゲーム初心者や復帰組のプレイヤーが勘を取り戻すために役立つ内容となっています。
【内 容】
●初心者のための戦闘比率考察
●鴨緑江会戦 ~全ての出発点~
●乃木の定石・黒木の鉄則・大山の方針
●ロシア側から見る旅順要塞 ほか
JWC版『日露戦争』に関しては、今後もウォーゲーム専門雑誌「コマンド・マガジン日本版」サイト及び公式サイト(http://wargame-classics.jp/)にてサポートを行っていきます。
(ルールブックより)